女性就業率のM字カーブ

10年程前、弊社では子育て世代の住まいについての調査をいくつか手がけていました。
その仮説検討の際に頻繁に目にしたのがM字カーブです。結婚後の退職、子育てが一段落した頃の再就職により女性の就業率はM字を描くようになるというものです(下図参照)。
2000年頃まではまさにM字カーブを描いていました。しかし2015年までにM字はかなり解消されています。女性の就業意識の向上に加えて、様々な子育て支援策の効果もあるようです。

 

また、20代後半以上の全ての年代で就業率は高くなっており、女性の雇用状況は一見よくなっているように見えます。女性の雇用者数(役員除く)も1985年の約1500万人から2015年には約2400万人まで増加しています(下図参照)。

しかし、雇用形態の中身を見ると「正規雇用」は1990年以降1千万人強とほぼ横ばいです。雇用者数こそ増加しているものの、ほとんどが「非正規雇用」(パート~契約社員・嘱託他)による増加です。

年代別に正規社員・職員の比率の推移を見ると、各年代とも低下傾向にあります(下図参照)。
2005年以降、45歳未満のヤングからミドルでは横ばいとなっていますが、55歳以上では低下傾向が続いています。

M字カーブが緩やかになり結婚後も仕事を続ける人は増加していますが、その待遇改善にはまだまだ厳しい現実があるようです。
女性管理職の拡大が叫ばれておりますが、正規雇用比率の改善なくして管理職の拡大は困難と思われます。

※グラフは「労働力調査」(総務省統計局)の長期時系列データを加工して作成
 女性の雇用形態別雇用者数推移と女性の年代別正規社員・職員比率の推移の
 1990年~2000年は2月調査、2005年と2010年は年平均、
 2015年は7~9月の平均値を基にしている。

2016年02月05日