2015年住宅着工91万戸はバブル期の約半数

2015年の住宅着工統計が1月29日に国土交通省から公表された。
住宅着工戸数は909千戸と90万戸超を維持している。
時系列を見ると、消費税増税直後の2014年は減少したものの
2009年の788千戸を底に以降はほぼ毎年増加し続けている。

過去の傾向を見ると、バブル経済の崩壊後が130万~170万戸
1997年の消費税5%と大手企業の破綻後が110万~120万戸
2008年のリーマンショック後が100万戸未満と
住宅着工戸数は消費税率と景気に大きく振り回されている。

2017年4月に消費税10%が予定されていることから
2016年は駆け込み需要が見込まれる。
2013年の駆け込み需要時は前年比11%増の980千戸で、
これをそのまま当てはめると2016年は101万戸の予想となる。
ただ100万戸の大台については、低金利が住宅取得に追い風であるものの
中国経済の減速や金融情勢の波乱で微妙な水準である。
また消費税増税後の需要低迷が気になるところである(図1参照)。

 

都道府県別に住宅着工戸数を見ると、
東京都が14万2千戸と突出し、神奈川が7万3千戸、大阪が6万4千戸、愛知が5万9千戸、埼玉が5万7千戸と首都圏、近畿圏、東海圏の3大都市圏での着工戸数が多い
(図2参照)。

 

成長性(2008年=100とした2015年の比率)とクオリティ(1戸当面積㎡)を見ると、全国平均では成長率が115%、クオリティが82.5㎡となっている(図3の赤線)。
都道府県別に見ると、成長率もクオリティも高いのは「宮城」「岩手」「福島」などの被災地、ただ住宅の全半壊数がこの3県で36万棟(消防庁「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について 第152報」)といった被害の大きさを鑑みるとまだ成長率は低い。

クオリティに比べ成長率が高いのは、「福岡」「沖縄」「東京」など人口流入率の高い地域となっている。成長率が低いのは「滋賀」「岐阜」「静岡」「三重」「栃木」などである。「滋賀」は前年の駆け込み増に対する反動が大きかったようである。



2016年03月07日